歴史を変えたニュース

事故や事件などの失敗雑学と、都市伝説をご紹介。

【1988年の事故】乗っていた飛行機の屋根が突然吹っ飛んだ!衝撃的すぎるアロハ航空243便事故の原因は?

スポンサーリンク

f:id:wawoon:20170524010654j:plain

アロハ航空243便事故は、1988年4月28日にボーイング737-200型機の屋根がハワイ上空で突如剥がれ落ちた事故です。 旅客機の屋根が剥がれ落ちた前代未聞の事故として、当時大きな注目を集めました。

事故機

機種 ボーイング737-200
機体記号 N73711
航空会社 アロハ航空(アメリカ合衆国)
出発地 ヒロ国際空港
目的地 ホノルル国際空港
着陸地 カフルイ空港
搭乗者数 計94名 (乗務員5名、乗客89名)
死亡者数 1名(乗務員)

この機体は、飛行回数が8万9000回を超えている老朽機です。 ボーイング737の飛行回数としては世界二番目でした。

事故の経緯

順調な飛行を続ける243便

アロハ航空はハワイの島々を結ぶ短距離路線が主流の航空会社です。

243便は本日8回目のフライト。ヒロ国際空港からホノルル国際空港までをわずか35分で結びます。

1988年4月28日午後1時25分、243便はヒロ国際空港を離陸しました。 いつも通りの何も変わらない見事な離陸です。 到着まではわずかな時間なので、機体が巡航高度に到達するまでに機内サービスが始まります。 乗客はシートベルトをつけたままですが、乗務員は飲み物を配り始めました。

突如屋根が吹っ飛ぶ!

243便は順調に上昇し、離陸から約20分後の午後1時48分に巡航高度の7,300メートルに到達しました。 そのとき、突如機体の屋根が吹き飛んだのです。

パイロットたちは一瞬何が起きたのか理解できませんでしたが、後ろを振り返ると青空が広がっていました。ファーストクラス付近の前5列の屋根が無くなっており、オープンカーのようになっているのです。

それを見たパイロットはすべて察しました。乗員乗客は高度7,300mで猛烈な爆風に晒される事態になりました。

緊急着陸まで

屋根が無くなった機内は外気と同じなので、深刻な酸素不足に陥ります。

すぐに降下を開始しなければ低酸素症に陥って、最悪の場合死に至ります。

機長は乗客の安否が心配になり、機内電話で乗務員を呼び出そうとしますが通じませんでした。

事故の影響で機首先端部分が1m程下に歪んでしまったため、客室の様子は確認できません 一刻も早く着陸しなければいけませんが、機体は深刻なダメージを負っています。 今やコックピットと客室は床下しか繋がっておらず、急降下すると機体が折れてしまう可能性があるため、慎重さが求められました。

機長はすぐ近くの管制に救助を要請しようとしましたが、不運なことに機内は暴風が吹き荒れており、まともに会話が出来ません。

慎重に機体をコントロールし、少しづつ機体を降下させます。高度が下がると、まともに会話できるレベルまで風が和らぎました。

機長すぐさま現在地から最寄りのカフルイ空港に緊急着陸の要請をし、空港では救助の準備が進められました。

様々な訓練を受けているパイロットも、屋根が吹き飛んだ時の対応訓練は受けていません。

着陸に適した高度やスピードはすべて勘に頼るしかありませんでした。

左エンジンの停止や前脚の異常など、機体は深刻なダメージを負っていましたが、 機長は着陸を見事に成功させたのです。

奇跡の着陸劇

乗務員1名は、残念ながら急減圧が起きた時に投げ出されてしまいました。

しかし、乗客はシートベルトを着用していたので機外へ投げ出されることはなく一命を取り留めたのです。

カフルイ空港は強風が吹き荒れることで有名でしたが、この時は風がほとんど吹いていなかったのです。

また、左エンジンは停止したものの、右エンジンがしっかり動作したことで墜落は免れました。

さらに当初疑われていた前脚の異常もコックピット内のランプが故障していただけで、前脚はしっかりと出ていたのです。

原因

ボーイング737型機は7万5000回の飛行にも耐えられるように設計されています。

しかしながら事故機は8万9000回以上の離発着を繰り返しており、メーカー保証回数を一万回以上も大幅に超えていたのです。

航空機は外壁を接着剤で繋ぎ合わせて多数のリベットで接合させていますが、 老朽化が進み、リベット付近の金属疲労が進んだことから空中分解するかのごとく、屋根が吹き飛んだと推測されています。

事故後

ボーイング社は、接着剤が剥がれないように製造工程で改善をしました。 この事故は後に「ミラクルランディング」という作品名でテレビ映画化されました。


参考リンク:事故調査報告書(http://libraryonline.erau.edu/online-full-text/ntsb/aircraft-accident-reports/AAR89-03.pdf)